三愛高等学院
- 田中茂徳
- 2024年11月13日
- 読了時間: 2分
更新日:2024年12月20日
コラム②『あかがい』
~あかがいとは琉球方言で、『光』『明かり』というような意味。~
あかがい。
それぞれの人の、心の中にある力。
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三愛高等学院は、創設から約40年が経過し、文部省(現文部科学省)が実施する、高等学校卒業程度認定試験における県内唯一の予備校的存在で、受験者の心の明かりでした。
学院で学ぶ生徒は、中卒・高校中退・社会人らで、年齢も10代から50代などさまざまでした。
学び続けられた生徒たちは90%余りが合格し、大学・専門学校・会社員・公務員・アーティストなどへと羽ばたいていきました。
学院創設者の金城正紀氏が、体調を崩されて、そして経営も苦しくなって、学院閉鎖の危機的状況にあったとき、講師の一人であった私の父田中一郎が三愛高等学院を学院長として引き継ぎ、学院存続に尽くしました。

ただただ教育愛だったのでしょう。生徒数は少なくて、授業料を払えない方も多かったので、経営は絶えず火の車で、家賃、講師手当て、光熱費、駐車場代などの支払いもままならないものでした。講師の方々はその実情を感知して、諸支払いを優先して手当ては後回しにしてくださいと申し出ていた。父は経費節減にと、専門の理科以外に英語や数学も担当していました。
数年後、父は入院からあっという間に天国に行ってしまいましたが、病院でも自宅に戻ってからも酸素マスクをしながらベッドの上でずっと訴えていたのは、三愛高等学院の生徒たちのこれからの試験のことでした。最後の最後まで生徒たちのことを考えていました。
大切な光のお話。
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